2024年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
朝鮮近現代史、現代韓国社会
演習題目
ゼミ紹介
題目は朝鮮近現代史となっていますが、いわゆる歴史学を学ぶというよりは近現代あるいは現在の南北朝鮮に生きる人々によってなされた様々な試みや思惟から何を学んでいけるかを一緒に考えることを中心にしています。ゼミで実際に扱う内容もその時々のゼミ生と相談して決めていますのでばらつきがあるのですが、現在の韓国社会を可能とした民主化運動やフェミニズムなど自分たちの力で世界を創って行こうとする動きに関わるものが多く扱われます。 そういった動きを考える際にこのゼミで重視しているのは、歴史的なアプローチを心がけるということです。日本における韓国・朝鮮についての議論は文化論的なアプローチが幅を利かせているのが現状で、儒教を通して何でも説明できてしまうかのようなことを言う大学の先生がいたりもしますが、こういったアプローチの難点は「変化」を説明できず、なによりも「朝鮮」や「韓国」というものを一枚岩の存在として描き出してしまうところにあります。しかし朝鮮の近現代史を少し学んでみればわかることですが、そこには絶え間ない変化と葛藤が存在しています。「韓国は…」、「朝鮮人は…」というように相手を安易に一括りにしてしまう結果はその鏡像として一枚岩の「日本(人)」に自分を閉じ込めてしまうことでしかなく、嫌韓に端的に表れているような文化論は実はわたしたちを縛るものとなっています。このような合わせ鏡から抜け出すために歴史として形成されるダイナミズムを捉えていくこと、つまりわたしたちの研究対象を固定しないような形での研究と議論を行っていきたいと思っています。 そのために当然必要となってくるのは相手の言葉に耳を傾ける能力です。ですから本ゼミでは朝鮮語ができることを前提としています。もちろん最初はおぼつかない語学力でも構いません。朝鮮語を通して開かれていく世界に関心を持ち続けてさえいれば語学などなんとでもなるものです。 「朝鮮」に関わる関心とある程度の朝鮮語力さえあれば、どなたでも大歓迎です。
卒論・卒業研究について
過去の卒論としては「「5・18言説」の展開を通して見る1980年代韓国民主化運動」のように韓国の民主化運動の歴史を扱ったものや、「脱コルセットを脱コルセットする」のように最近の韓国のフェミニズムリブートのなかで現れて来た脱コルセットをめぐる考察、「レイプ文化を再生産しないために親として何ができるか」のように韓国のフェミニストによるレイプ文化に関する問題提起を引き受けつつ将来の自分に何ができるかを考察したもの、「KPOP、「ガールクラッシュ」、そして韓国でのフェミニズム大衆化」のようにK-POPにおけるガールクラッシュと呼ばれる傾向の登場とフェミニズムの大衆化をつなげて考察したものなどがあり、非常に広い意味で朝鮮近現代史や現代韓国社会に関わるものであれば何でもテーマとして扱えるだろうと思います。相談しましょう。
受講上の注意など
朝鮮語の文献を扱いますので、朝鮮語がいくらかはできることが求められます。相談しましょう。
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