2024年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
社会学(特に国際社会学や都市社会学)/移民研究。フランス地域を対象に質的調査の手法で、国際移動やマイノリティを中心とした交差的(人種・ジェンダー・セクシュアリティ・階級)な運動、記憶と知/権力をめぐるポリティクスを研究しています。
演習題目
ゼミ紹介
国際社会学(Transnational Sociology)は社会学の一分野で、国民国家の枠組みを超越した空間で生じる現象やその主体について社会学的に考え、国民国家という枠組みを相対化する視点を大切にします。この視点を軸に、本ゼミでは、人種/エスニシティ・階級・ジェンダー・セクシュアリティ・障害など多様な分析視角を組み合わせ、社会学の様々なテーマ(家族、社会制度、社会運動、社会的ネットワーク、コミュニティ、シティズンシップ・国籍、レイシズム・外国人嫌悪など)について考えていきます。(*国家間ないし政府間関係に関心を寄せる国際関係学や国際政治学などとは分野と視点が異なりますので注意してください。) 【3年ゼミ】 指定の文献を各自事前に講読し、当日は担当者による発表とディスカッションを行います。文献は、参加者の関心に応じて決めていますが、「研究すること」や「知識の生産」について考える文献、移民や(人種・ジェンダー・セクシュアリティの観点で)マイノリティに関わるテーマの文献など、英語・日本語で書かれた学術書・論文を取り上げます。輪読を通して、春学期は、文献を的確に読む能力、論点を掴む能力、批判する能力、そこから自分自身の問題関心に引きつけて考えを深める能力を養います。秋学期は、問いの立て方、先行研究の分析の仕方、方法論、調査方法と調査倫理、文献の探し方、研究の社会的な意義などについて研究のための要素を一通り確認し、各自の研究発表も少しずつ行います。秋学期の中間と最後には、各自で進めた研究をまとめたゼミ論文を提出してもらいます。 【卒論(4年)ゼミ】 春学期は、3年生のうちに作成した研究計画書をもとに、各自の卒業論文執筆にむけた研究発表を中心としたゼミを行います。具体的には、各自で準備した原稿やレジュメをもとに、研究概要の報告と議論を行います。また、ゼミ生の人数によっては、3年生との合同ゼミを行い、3年生には研究発表に触れる機会を、4年生には自分の研究だけでなく可能な範囲で輪読に参加する機会を設けています。秋学期からは、12月中の卒論完成に向けて、研究発表を進めながら、卒業論文の執筆を本格的に進めていきます。
卒論・卒業研究について
基本的に、社会学(特に国際社会学・都市社会学)的な視点に関連づけられる研究課題であれば、対象地域がフランス(もしくは日本)でなくても指導しますが、教員の専門外である対象地域についてサブゼミなどで受講することが望ましいと考えます(「社会学的な視点」については、図書館などにおいてある社会学の教科書にあたり興味を持てるかどうか確かめてみてください。国際社会学については、田邊が担当する「社会学A1(国際社会学)」のシラバスに目を通してください)。
受講上の注意など
3年ゼミの輪読は、担当者以外の参加者も毎週事前に文献を読み、A4で1ページ程の要約とコメントを提出することが、授業参加の条件です。また、本ゼミ参加者には、研究対象との関係において、社会における自らの位置について深く考えることを求めます。社会学的な視点に立ち、これまでの自分の思考枠組みを揺さぶられ、異なる立場に立って物事を考える準備と柔軟な発想を持った学生さんを歓迎します。また、本ゼミに参加が決まった方は、3年生に上がるまでに少なくともひとつは社会学の科目を受講しておくことが好ましいです。3年次編入生で本演習への参加を希望される場合には、過去に社会学の授業を少なくとも一コマは受講していること、もしくは独学ですでに学んでいることを必須とします。また、3年次編入希望者との事前の面談等はお受けしておりませんので、ご承知ください。
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