2024年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
専門領域:フランス近世史、「18世紀学」、ヒストリオグラフィー 卒論指導可能分野:近世・近代フランス、近現代フランスにおける記憶と歴史学
演習題目
ゼミ紹介
フランスを中心とする「地域」を歴史的に研究するための視点と方法を学びながら、4年次での 卒業論文に向けてテーマを発見していくことを演習の目的としています。そのために、主に歴史学またその他の人文社会科学の領域で刊行された学術書また論文(英語・日本語・ フランス語)を購読・討論します。原文に即して細かく読解する主旨のセッションと全体 の構造と大意を把握し評論することを目的とするセッションを交互に行います。特に秋学 期には関心のあるテーマについて参加者それぞれが報告をする機会を設ける予定です。 フランスの歴史に関心のある方を募集いたします。歴史学の歴史を辿れば、歴史を書く営みが、長らく、為政者、エリートまた男性中心に行われてきたことが分かります。名も無い人々の生活はどのようなものだったのでしょうか?彼また彼女たちの感情や経験をどのように可視化し意味付けを行っていくことができるのでしょうか? 例えば、18世紀に書かれた日記、人々の言葉の痕跡を留める訴訟文書から何を読み取ることができるのでしょうか? このような問いに関心のある方は、ぜひゼミの扉をたたいてみてください。
卒論・卒業研究について
ゼミ生の関心は多様です。これまで、第二帝政下におけるパリ改造、アール・ヌーヴォーとジャポニスム、第三共和政における対英世論の変遷、今日フランスで活躍するイラン出身の漫画家マルジャン・サトラピの生い立ち、フランスと日本における競馬の歴史の比較的考察、ルイ14世がつくったメナジェリーを通じてみる人間と動物の関係、現代フランスにおけるデジタル化の実態、フランスの教育制度と社会的格差といったテーマが扱われました。昨年度の卒論では、フランスにおける人工妊娠中絶合法化、現代フランスにおけるアソシアシオンのダイナミズム、第二次世界下のフランスにおける新聞広告、ウクライナ戦争とスイスー中立概念の変化、「レ・ミゼラブル」に描かれた労働問題といったテーマが扱われました。 今年のゼミには、、ミシュレの歴史叙述、18世紀文学、5月革命といったテーマに強い関心を持たれている方がいらっしゃいます。近年の歴史学の研究対象は多様化しています。戦争、外交、法や政治、思想といった「オ ーソドックス」なテーマから、感情、身体、幸福、娯楽や余暇のかたち、ことば、世論、暴力や犯罪、男女関係、子供、友情、姉妹・兄弟関係といったより「新しい」対象まで、多 くの研究が蓄積されています。このような歴史学の多様さ(豊かさ)に触発され ながら、また、同時代的な状況に対して各人の抱く「問い」や視点を大切にしながら、卒業研究を行うことを期待しています。
受講上の注意など
フランス語の既習者を対象としています。
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