2023年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
ドイツ近現代史、ナチズム、ジェンダー史(男性史)、日常史、感情史、歴史教育
演習題目
ゼミ紹介
この演習には二つの目的があります。一つは、ゼミ参加者各自が自らの卒業論文に向けて、テーマを見つけ、そのテーマに対する問題関心や問いを深め、論文という形式で学術的なスタイルに則って説得的に論を展開するまでの方法論を身につけることです。しかし、学術的に有意義であり、長期間をかけて取り組むに値する、しかも依拠できる文献や史料がきちんと存在する問いや問題関心を見つけることは容易ではありません。そこでこの演習では、前期にはテーマに即して日本語や英語の共通文献を読み進め、歴史学において「問い」を立てるとはどういうことかを試行錯誤のなかで体感してもらうことを、もう一つの目的としています。 そして後期の演習では、各自の問題関心に沿ってゼミ論文を執筆してもらいます。 2023年度前期は、専門講義にあわせて「民族共同体論」をめぐる文献講読を進めています。共通の課題文献を分担して発表し、議論を深めます。 ドイツ語の知識を持っていることが望ましいですが、必須ではありません。 コツコツと努力できる(=自分の関心に従って着々と文献を読み進め、文章を執筆できる)学生を求めます。そういう学生であれば、かならず何かを成し遂げることができます。努力することに自信がない学生は、このゼミに来ることはまったくお勧めしません。よろしく。
卒論・卒業研究について
ドイツ近現代史に関するもので、歴史学的なスタンスのものであれば、あらゆるテーマを受け入れます。また、ドイツに限らず 20 世紀ヨーロッパ社会(あるいは日本との比較)に強い関心をもつ皆さんも歓迎します。 これまでに、以下のようなテーマの卒論が提出されています。 ・18世紀から20世紀までのドイツにおける女性外国人労働者 ・18世紀以降のドイツにおける環境意識 ・19世紀~20世紀ドイツにおける軍国主義 ・19世紀後半以降のドイツにおけるワーグナー受容 ・19世紀末ウィーンにおけるカフェ ・ナチ体制の出生策と「生命の泉」(レーベンスボルン)協会 ・ナチ体制下におけるドイツ人と外国人の性的接触 ・ナチ体制における「ふつうの人びと」によるエゴドキュメント(日記・手紙) ・ナチ体制下の抵抗運動とシュタウフェンベルク ・ナチ体制下の親衛隊エリート―オーレンドルフを中心に ・ホロコースト研究における「ふつうの人々」の動機をめぐって ・バチカンとホロコースト ・東ドイツにおけるFKK(自由裸体運動) ・ポピュリズムとは何か―欧米・中南米・フィリピンの比較 ・ホロコーストの記憶―記念碑と「躓きの石」 ・ヨーロッパにおける歴史教育―独ポ共通教科書と独仏共通教科書の比較 ナチズムに関する卒論が多いのは事実ですが、上記の条件を満たしていればどのようなテーマでもかまいません。歴史的記憶や歴史教育、パブリック・ヒストリーといったテーマも歓迎します。
受講上の注意など
2年生後期に地域基礎(水曜2限、前期とは内容が異なる)を履修することが、この演習に参加する前提条件です。また、金曜2限の専門講義を取ることも強く推奨します。
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