2023年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
中央アジアの社会・文化・歴史、中央アジア地域研究
演習題目
ゼミ紹介
この演習では、中央アジアの社会・文化・歴史を中心にとりあげ、地域を理解するとはどういうことなのか、歴史的な視点を始めとして様々な観点から考えていきたいと思います。 地域をより深く理解するためには、まず第一に現地の人々の直接的な声に、文献あるいは対話を通じて耳を傾けることが必要です。こうしたコミュニケーションのためには、相応の語学力が不可欠であることはいうまでもありません。さらに、それと同時に、観察者の立場から客観的に事象を眺め、分析する方法と能力を身につけることも必要です。これを課題として、この演習では以下のように授業を進めていきます。 受講生の関心に応じて、毎回の授業でおもに日本語の学術論文をとりあげ、レジュメを作成の上、担当者にその内容について報告をしてもらいます。他の参加者は、事前に論文を読んできた上で質疑をおこない、参加者全員で議論をおこないます。この作業を通じて、学術的な文章の構造や議論の進め方、資料検索とレジュメ作成の方法を学び、プレゼンや討論の能力を高めるとともに各自の関心テーマを少しずつ絞り込んでいきます。 3年次秋学期は、引き続きこのような形式で論文の輪読をおこない、さらに各自のテーマについて順次発表をおこなうことで、3年次終了時には卒論のテーマを明確化することを目標とします。 4年次では各自が卒論テーマに従って資料収集と文献の読み込みをおこない、プレゼンを繰り返すことによって卒論の論点を明確にし、実際の執筆につなげていきます。
卒論・卒業研究について
中央アジア(旧ソ連中央アジア5カ国とその周辺地域)の社会・文化・歴史の分野にかかわるものであれば、どのようなテーマで卒論を書いていただいてもかまいません。ただし、論文を書くためには、論拠とするに十分な資料が必要です。この地域については、日本語はもとより英語で書かれた文献も、それほど数多くはないというのが現状です。卒論を完成させるためには、多くの場合、ロシア語、さらにはウズベク語など現地語で書かれた資料を使う必要もあるということを念頭において取り組んでください。 【これまで提出された卒論の例】 「ウズベキスタンにおける『伝統的刺繍』スザニとは何か」 「民族教育と少数民族語の関係:ロシア・ブリヤートにおける民族教育史」 「現代ウズベキスタンの歴史の見直しにおけるファイズッラ・ホジャエフ再評価の意義:中央アジア民族別国境画定と「国家」・「民族」の形成」 「ウズベキスタンの朝鮮人:移住の歴史と文化継承」 「モンゴルに染まりゆく仏教:伝来から現在につづくチベット仏教の継承とその役割の変容」 「中央アジア地域におけるイスラームの変遷:帝政ロシア期から現代に至るまでの外的要因が与えた影響に着目して」 「バダフシャン地域の神秘主義音楽の独自性:音楽的・宗教的・精神的側面から」 「現代韓国における中央アジア出身の高麗人の直面する問題とこれから:移住の歴史と労働移民問題」
受講上の注意など
担当時にしっかり報告の準備をおこなうのはもちろんのこと、自分の担当時以外の場合でも必ず配付資料を事前に読み込み、その上で積極的に議論に参加することが求められます。 既習言語はとくに問いませんが、中央アジア地域の研究に必要不可欠なロシア語やウズベク語、あるいは中央アジアと文化的・歴史的に関連の深いペルシア語やトルコ語の既習者であればなお望ましいです。この点については、ガイダンス等で事前に個別に相談してください。
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