2024年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
ヨーロッパ・地中海世界の中世史 (キリスト教の歴史、建築史、図像解釈、資料体学)
演習題目
ゼミ紹介
本ゼミは、ヨーロッパ中世の歴史全般を対象としています。時代的には、初期キリスト教時代(とくに313年のミラノ勅令以降)から、初期・盛期・後期中世(500~1500年)、宗教改革を経て、三十年戦争終結に至るまで(1648年)、空間的にはヨーロッパ全域(神聖ローマ帝国、ブリテン諸島、地中海世界、イベリア半島、東欧スラブ世界、北欧バルト海世界、ビザンツ帝国等)が対象となります。 ヨーロッパ中世は、ネーションの枠を超えた広域の文化圏が対峙・接触し、近代世界とは異なる論理で歴史が展開していく固有の文明世界です。その本質は、政治・経済・社会・思想・芸術など、人間の営みの全てが、キリスト教信仰(Christianity)と密接不可分に融合している点にあります。千年もの時を生きたヨーロッパ中世世界について学ぶことは、人類社会が生み出しえた一つの個性ある文明を知ることを意味します。それは同時に、現代のヨーロッパをその淵源から見通すことでもあり、さらには〈他者〉を歴史的視座から理解し、他者との対比のなかから自己を深く理解することに連なっています。 本ゼミを通じて、〈問題〉を時間的・空間的な景観のなかで捉える視座と、〈問題〉を歴史学的な方法に即して探究していく方法論とを身につけてほしいと思います。 本ゼミでは、2つの課題を同時平行で進めます。それは、 ①各自のテーマに関する研究(各自の関心に基づいて研究テーマを選定し、専門の研究論文〔欧語〕を読んで口頭報告を行なう)、 ② 出席者全員による共通文献(英語)の講読と分担報告、 の2つです。①のテーマ研究では、専門的知識を深めつつ、テーマを徐々に絞りこみ、最終的には卒業論文に結実するよう進めていきます。 また、7月中旬にゼミ合宿を行ないます。
卒論・卒業研究について
卒業論文のための準備は、3年次進学前からテーマ研究(上記の①)として始め、2年間(留学する場合は3年間)にわたって継続的に行なっていきます。 卒論については、ヨーロッパ中世に関わるもので、歴史学的方法による研究であれば、政治・経済・文化・美術・思想・宗教等、あらゆるテーマを設定することが可能です。 例) 第4回十字軍後の東地中海世界―ヴェネツィアから見たロマニア セウタ攻略からみるポルトガルの海外進出構想―エンリケ航海王子の視点 都市ジュネーヴにおけるカルヴァン派と書籍流通 13・14世紀北イタリア世界と使徒派運動の多元的関係―宗教、政治、社会的接点 13世紀ヨーロッパにおける托鉢修道会と天使学 カロリング・ルネサンス期における草本知識の伝承と実践―『カール大帝御料地令』第70条を中心に 中世の動物誌(博物学)について ロマネスク建築と柱頭彫刻―ヴェズレーを例に エドワード3世の葬儀―後期中世イングランド王室葬送儀礼における一考察 中世の色彩論と典礼について イベリア・ユダヤ人の詩と生涯 中世後期ハプスブルク家の婚姻政策
受講上の注意など
ヨーロッパ中世に学問的関心がある人ならば、専攻語に関わりなく誰でも受講できます。ゼミの課題は多く要求されるレベルも高いタフなゼミですが、その分、卒業時の達成感はひときわ大きいと思います。 (ゼミ希望者は、5月の教員別ゼミガイダンスに必ず出席してください。希望者が多い場合は、選抜を行ないます。また、副ゼミでの受講を希望する学生は、2年次の3月初までに承諾を得てください) ■ 詳しくは、本学HP上の教員ファイルを御覧ください。https://www.tufs.ac.jp/education/ia/seminar/#professors
ページの先頭へ