2023年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
専門領域:中国・香港を対象とする地域研究(社会保障、労働関係、産業、ジェンダー事情) 卒論指導可能分野:現代中国の経済・社会
演習題目
ゼミ紹介
当ゼミでは、現代中国の経済と社会事情に関して調査方法を学び、学術論文を執筆します。 中国の世界経済における存在感は急速に高まり、世界第2の経済大国になりました。しかし国内には、拡大する貧富の格差、加速する少子高齢化、上昇する人件費、地方政府の負債や土地の権利をめぐる摩擦など、課題が山積しています。またスマートフォンや次世代EV(電動自動車)、デジタル通貨などイノベーションの新たな拠点として台頭したために、米国の警戒を引き起こしています。 こうした中で中国経済の実態を理解するには、信頼できる情報を選別し分析を行う必要があります。さらに、政治の変化と歴史的背景を理解したうえで、統計データをチェックし、市場分析を行うことも肝要です。 理論的な枠組についても、中国では驚異的なスピードで研究成果が増産されています。単なる「中国事情通」ではなく、(1)国際的なの理論研究の動向を踏まえる、(2)日本との比較を行う、(3)歴史的展開に留意する、という3点を組み込んで、日本発の独自の中国研究を目指します。 ゼミでは、まず中国の経済成長に関する基本文献を共通のテキストとして購読するとともに、年間を通じて各自が論文のテーマを決めて発表を行います。またゼミ生の希望があれば、全体の共通のテーマを設定します。 これまで夏休みにはゼミ合宿を行い、集中して論文執筆のための中間検討会を行ってきましたが、ここ3年間は新型コロナのために中止となりました。2023年度は、感染状況等が許せば再開する予定です。
卒論・卒業研究について
2022年度の卒業論文のタイトルは、以下のとおりです。 ・中国の国有企業改革における元従業員及びその家族の意識変化―2世代目のキャリアパスと定住地選択― ・中国が目指す「共同富裕」の実態とリスク―浙江省モデル区事例から見る― ・香港における「自由」と広東語の関係性 d 広東省の事例及び香港映画の盛衰から見るd ・中国が目指す国際秩序とは何か―現代国際秩序の動揺とWTO紛争から戦略の方向性を探る― ・世界情勢の変遷に伴うファーウェイの戦略転換 ・網紅経済の実態とその背景 - 中国の口コミ文化が経済社会に与えた影響- ・現代中国における軍事力の分析 ―政策・戦術・非軍事の面から見る強みと潜在力― ・内モンゴル自治区におけるモンゴル語保持の課題 ・2014 年の石油リグ「海洋石油 981」事件後の中越関係の改善 2014 年と 2020 年のベトナムと中国の政府系メディアの比較 ・中国「国潮ブーム」はどのようにして形成されたのか ・中国による内政干渉と見紛う「債務の罠」の背景
受講上の注意など
現状分析が中心のゼミですので、既存の日本語文献だけに頼ることができません。中国語、英語の文献を利用することを意識してください。
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