2020年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
インドの思想・文学・文化百般
演習題目
ゼミ紹介
☆何を学ぶことができるのか? インドは、生活の百科万般にわたって様々なハウツー物の文献が、古典サンスクリットから近代諸言語にいたるまで記され残されている。豊富な資料をつかって、思想、文学、文化百般の来し方行方を解明することができます。 ☆具体例 1.中世ヒンディー文学(クリシュナ・ラーマ信仰文学)の一作品を、同じモチーフを扱う古典から近代までの諸バージョンと比較しながら読解して、現代インドの宗教思想形成に色濃くかかわるヒンドゥー教バクティ信仰(易行道)の展開を探る。 2.インドの説話の一部はペルシャ語訳をはじめ、アラビア語訳(8世紀)、ヘブライ語訳(12世紀)、ラテン語訳(13世紀)、スペイン語・イタリア語・英語訳(15~17世紀)等が存在するし、他方で『マハーバーラタ』および『ラーマーヤナ』のいわゆる二大叙事詩は、演劇等の形態をとりつつ、東南アジア各地に広く伝わった。また、中国、朝鮮、日本に伝来した仏教教典類にも文学的要素をもつものは少なくない。これらインドに起源する文学作品の、(ヒンディー語以外の)自分の専攻語のバージョンを研究したいと思う者に、インド・バージョンを紹介する機会にもなり得よう。 3.民間で非常にポピュラーな説話にしばしばでてくる吉凶の前兆、夢占い、などのいわゆる俗信にかかわる事項を、いわゆる理論書に見られる規定と比較することにより、時代と地方による特徴などを調査する。
卒論・卒業研究について
<これまでに本ゼミで執筆された卒業論文・卒業研究のテーマ一例> ・インド文学にみる女性身体論 ・インド古代の化粧文化 ・インド文学にみられる「宝石」・『マハーバーラタ』において用いられる「蓮華」のシンボリズム ・「床絵」の源流をさぐる ・インド音楽と西洋音楽の融合と変容 ・フィジーのヒンディー文学 ・グローバリゼーション下におけるインドの食文化の変容 ・インドと日本の他界観および葬制 ・チェスの歴史・金毘羅の来し方 ・「わらしべ長者」の源流 ◎主に文献情報を資料として、各人の関心テーマに沿って歴史的展開を調べ整理し新たな知見を得ることを目指しますが、現代の事象に絞ったテーマの場合、統計資料等を併せて利用する社会学的手法を採ることもあり得ます。 ◎16年(以上)に亘って受けた教育の集大成として記念碑的成果となるよう指導します。
受講上の注意など
当ゼミに参加希望の学生は、事前に、もしくは同時に、水野担当の「地域文化概論」を履修してください。ヒンディー語専攻以外の学生も歓迎します。ただし、文献講読の際には英訳本を利用するなど、個別の対応にならざるを得ないことをご了承ください。なお、毎年夏休みに実施するゼミ合宿を重視していますので、必ず参加してください。
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