2020年度
2019年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
日本思想史、日本近現代史、社会運動史、日本のマイノリティ、宗教と芸能
演習題目
ゼミ紹介
このゼミでは、地域研究とケーススタディを通して地域社会の差別と国家‐社会が内包している性暴力について学びます。夏学期には大阪・京都で関連するフィールドワークを行います。 私は国学を中心にした日本思想史と部落史・民衆史をテーマに研究してきましたが、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故を経て、地域社会が抱えている課題に応える民主主義の再構築というテーマを強く意識するようになりました。 そうした問題意識にもとづいて、近年は日本の地域社会の差別と性というテーマを、南アジアのカースト制度やヨーロッパの事例と比較しながら追求しています。 また同時に、冷戦後の東アジアにおけるポスト植民地主義状況を、日本国内の寄せ場や資本主義的労働市場の形成と変化という観点から研究しています。上記のことは、カースト主義、性差別、暴力を、ポスト植民地主義状況と資本主義の人種的労働編成という視点で概括していく作業ということができます。 今年度、ゼミでとりあげる予定のテキスト・資料は以下です。 盛田嘉徳他『ある被差別部落の歴史』(岩波新書) 大山喬平『ゆるやかなカースト社会・中世日本』(校倉書房) 粟屋利江他『現代インド5 周縁からの声』(東京大学出版会) 和泉市史編さん室『和泉市の歴史4 信太山地域の歴史と文化』(ぎょうせい) 上野千鶴子他『戦争と性暴力の比較史へ向けて』(岩波書店) マリア・ミース『世界システムと女性』(藤原書店) 藤沢靖介他『旦那場』(現代書館) 国文学資料館史料館編『農民の日記』(名著出版) 友常勉『夢と爆弾 サバルタンの表現と闘争』(航思社)
卒論・卒業研究について
演習のテーマに該当するのであれば、卒論のテーマは自由です。ただし史資料や古典をできるだけ精確に読んで書くことが前提です。また、基本的な先行研究の論文も読みこなす必要があります。そのため、要望があれば各自のテーマに関係した論文、史資料の読み合わせにも応じます。 なおこれまでこのゼミで提出された卒論のトピックは以下のようなものです。「タタ財閥」「東京のアイヌ」「ハンブルクのスクウォッティング運動」「近代家族イデオロギーと家族愛」「LGBTの現在」「都市におけるランドマークの意義:吉祥寺と井の頭公園を例に」「日本の生活保障システム」「高蔵寺ニュータウンにおける地域活性化に関する考察」「死者たちのデモクラシー:日航機事故と上野村」「ダーリンインザフランキス」「Xジャパン」「在日大韓基督教会」「アメリカ西海岸のヒップホップ」などです。
受講上の注意など
史資料の読解を課題とすることがあるので、事前に十分に準備してもらいたい。
ページの先頭へ