2020年度
2019年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
ポストコロニアル研究、カルチュラル・スタディーズ、レイシズム・スタディーズ、表象文化論
演習題目
ゼミ紹介
エスニシティ(とそれに関連する諸概念、たとえば民族、人種、ネイションなど)に関わる諸事象、とくに文化(文学や映画といった表現から慣習、法、行動まで多岐にわたります)の政治をテーマに卒業論文に取り組むことを目的とします。方法論としては、カルチュラル・スタディーズやポストコロニアル研究といったものを思い浮かべてもらうといいでしょう(より具体的には、エドワード・サイード『文化と帝国主義』、酒井直樹『日本/映像/米国』、テッサ=モーリス・スズキ『辺境から眺める』など)。 春学期は研究書や論文の購読を輪読する形で行い、ゼミ生は毎週短いレポート(800字程度)の提出が必須となります。秋学期は自らの卒論テーマにしたがって個別発表と討論を行い、学期末にはプレ卒論として12000字程度のレポートを提出します。課題はなかなかハードですが、勉強しがいのある内容になっています。 下の「卒論・卒業研究について」を見ていただければわかりますが、エスニシティ/レイス/ナショナリティに関わる文化事象について理論的に取り組みたいと考えている学生には格好のゼミだと思います。
卒論・卒業研究について
卒業論文・卒業研究について過去に私のゼミで書かれた卒論は次のようなもので、かなりテーマが幅広く、自由度の高さががわかるはずです。「終わらないイギリス労働者階級の苦悩:映画『リトル・ダンサー』は中産階級への跳躍か」「フィリピン女性の表象と実態」「異文化のなかに自文化を見るアメリカ:映画『ロスト・イン・トランスレーション』における日本の表象と現代アメリカの姿」「日本におけるLGBT文化の発端とゆくえ:世界の趨勢と強制的異性愛社会の流れの中で」「慰安婦」問題への忌避感」「ロヒンギャを取り巻く諸問題:「世界で最も迫害されている人々」の現実」「ミャンマーにおけるビルマ族とヤカイン族間の民族摩擦」「映画『ウリハッキョ』に見る朝鮮学校表象」「消極的な難民受け入れの現状からみる日本人の外国人への意識:日本が守ろうとしている物は何か」「サッカーにおける人種差別について:サッカーが生み出す団結と対立」「労働者階級の反乱:Brexitを基点とした労働者階級の実態」「ファティ・アキンの描く「ホーム」:『そして、私たちは愛に帰る』の分析を通じて」「C.N.アディーチェ論:『アメリカーナ』の例から」「『ホース・マネー』分析:カーボヴェルデ移民とポルトガルの病」「カントリー・ミュージックに対する眼差し:その混血的発展について」「フィリピン民衆演劇劇が挑む「抑圧者の教育学」:Philippines Educational Theater Associationの作品分析から」。 卒論は20000字以上が求められているので、かなり計画的に取り組むことが求められます。
受講上の注意など
本ゼミおよび卒論ゼミとともに、李が開講している授業(概論科目「現代世界と差異」、選択科目「エスノポリティクス」)のどれかを履修していることが原則的には義務づけられています。既習言語の指定はありませんが、 基本的に購読テキストは英語で、英語での発表もあるので一定の英語力は必要です。留学は期間によらず認めています。なお、幅広い内容が扱われるゼミだけに、自分で学習計画を立て、研究を進められる高い自主性が求められます。また、課題もかなりあるので、本ゼミの履修生はかなりの覚悟と努力を求められるものと考えてください。
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