2023年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
ドイツ語圏文化・文学・思想、表象文化論(映画・音楽・美術・知覚等)、翻訳思想・実践、メディア論、キリスト教・ユダヤ教思想・文化
演習題目
ゼミ紹介
このゼミは、基本的にドイツ語圏の芸術・文学・思想・大衆文化といった文化的領域を対象とします。そして、個別の文化現象そのものの特質、あるいはそれらを通じて浮かび上がるドイツ語文化の特質に迫ることを目指します。このゼミでは、年度毎にさまざまなテーマを設定し、広い意味で「テクストをどのように読むか」(文学テクストだけでなく、映画・絵画・音楽・建築・都市などを含む)、そしてドイツ文化の特質に関わるテーマについて取り上げてゆきます。それとともに、「ドイツ語を読む」ことそのものを大切にしていきたいと考えています。 参考までにここ数年のゼミの授業題目をあげてみます。 2023「物語理論と翻訳」 2022「もう一つの世界について」(ドイツ文学・文化、思想史、表象文化論、メディア論について扱う) 2021「〈ドイツ的〉なものの表象」 2020「語りと翻訳」 2019「ドイツ現代文学」 2018「〈ドイツ的〉なものの系譜」 このところとりあげている重点的なテーマは、おもに次の二つです。 (1) 「語り」のあり方・物語理論と翻訳の問題 (2) 「ドイツ的」なものをめぐる言説の系譜 卒論指導は、私の専門領域や関心領域(近現代ドイツ語文学、ドイツ思想、音楽、美術、メディア論、映画論、翻訳論、世紀転換期ウィーン、ベルリン、文化理論、言語思想、物語理論、ユダヤ・キリスト教思想)はもちろん、人文研究的なアプローチによって文化領域における対象を扱うものであれば、基本的にはなんでも大丈夫です(ただし、他によりふさわしい先生がいる場合はそのようにアドバイスします)。 4年生が受ける「卒研演習(卒論演習)」でとくに念頭に置いていることは、アイディアに実際のかたちを与える力、コンセプトを相手に理解してもらうためのプレゼンテーションの力、そして適切な文章の力です。そのために、発表者以外の参加者も一緒になって頭を使い、ディスカッションを行う授業としています。
卒論・卒業研究について
過去の卒論の例としては、次のようなテーマ・対象の卒論がありました。基本的にドイツ語圏の文化が中心となります。 ■文学:ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』、E.T.A.ホフマン『砂男』、ネストロイ、エンデ、移民文学・越境文学、多和田葉子 (ドイツ文学以外:ピンチョン『LAヴァイス』、 ■絵本・児童文学:ヤーノシュ、ヘルメ・ハイネ、リザ・テツナー、フレッド・ロドリアン(東独の児童文学)、ラルフ・イーザウ、ケストナー ■美術:クリムト、エミール・ノルデ、パウル・クレー ■音楽:ヴァーグナー、シェーンベルク、ドイツ・リートにおける隠喩(シューベルト、ヴォルフ)、マーラー、抽象絵画における音楽性、中世ロック ■映画:ヴェンダース『ベルリン・天使の詩』、ファスビンダー『ベルリン・アレクサンダー広場』『四季を売る男』、ハネケ『ベニーズ・ビデオ』『ファニーゲーム』、ファキン『愛より強く』、オスカー・レーラー『アグネスと彼の兄弟』『素粒子』、トルンカ、『ヒトラー~最期の12日間~』、チェコ・人形アニメ、アメリカ映画における黒人表象 ■翻訳(実践):ドイツ文学の翻訳実践、重訳の問題 ■比較文化:魚肉ソーセージ、日独の居住空間比較論、ドイツ映画における「日本」の表象 ■文化史:クリスマスにおける火のイメージ、中世ヨーロッパにおける「子供」、マイセン磁器、ドイツのおもちゃ、オーガニック・コスメ ■都市・建築・デザイン:都市景観比較論、フンデルトヴァッサー、マルセル・ブロイアー、エリーザベト教会(マールブルク) ■カルチュラル・スタディーズ:クィア文化、ボードゲーム文化 、「世界名作劇場」、「Digedags」(東独のコミックス)
受講上の注意など
基本的にドイツ語履修者であることを想定しています。ドイツ語履修者以外でも、授業の受講・卒論指導を行うことは可能です。ただし、授業ではドイツ語のテクストを使うことが多いので、その点は了解してください(その際、日本語の翻訳も使うなどある程度配慮します)。
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