2020年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
朝鮮近現代史、現代韓国社会、在日朝鮮人史
演習題目
ゼミ紹介
題目は朝鮮近現代史としましたが、ディアスポラにより「朝鮮」に関わる地域は朝鮮半島に限らず世界の様々な地域に広がっていますし、近代以降の未来以外の時間に起こった全ての出来事は近現代史に含まれますから、履修生の関心に即して色々なことができればと考えています。今のところは朝鮮近現代史に関わる一次資料や二次資料を一緒に読んでいきながらそれぞれの問題意識を具体化していくというやり方を考えていますが、履修生の希望に沿って適宜方向修正をすることになるかと思います。 ただ重視したいのは、歴史的なアプローチを心がけるということです。日本における韓国・朝鮮についての議論は文化論的なアプローチが幅を利かせているのが現状で、儒教を通して何でも説明できてしまうかのようなことを言う大学の先生がいたりもしますが、こういったアプローチの難点は「変化」を説明できず、なによりも「朝鮮」や「韓国」というものを一枚岩の存在として描き出してしまうところにあります。しかし朝鮮の近現代史を少し学んでみればわかることですが、そこには絶え間ない変化と葛藤が存在しています。「韓国は…」、「朝鮮人は…」というように相手を安易に一括りにしてしまう結果はその鏡像として一枚岩の「日本(人)」に自分を閉じ込めてしまうことでしかなく、嫌韓に端的に表れているような文化論は実はわたしたちを縛るものとなっています。このような合わせ鏡から抜け出すために歴史として形成されるダイナミズムを捉えていくこと、つまりわたしたちの研究対象を固定しないような形での研究と議論を行っていきたいと思っています。 そしてそのために最低限必要なものは相手の言葉に耳を傾ける能力です。ですから本ゼミでは朝鮮語ができることを前提としたいと考えています。もちろん最初はおぼつかない語学力でも構いません。朝鮮語を通して開かれていく世界に関心を持ち続けてさえいれば語学などなんとでもなるものです。 能書きばかりが長くなってしまいましたが、「朝鮮」に関わる関心とある程度の朝鮮語力さえあれば、どなたでも大歓迎です。
卒論・卒業研究について
初年度ですので今までこういう卒論があったという例示ができないのですが、ゼミ紹介で書いた意味での「朝鮮近現代史」に属するものであればテーマとして扱えるだろうと思いますので、一緒に相談できればと思います。文学などもOKです。
受講上の注意など
朝鮮語の文献を扱いますので、朝鮮語がいくらかはできることが求められます。相談しましょう。
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