2024年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
日本語の文法・語彙、日本語史等
演習題目
ゼミ紹介
木曜4限の演習では、古い文献を"語学的に"読む訓練を主たる目的として、 古典文学作品を読んでいます。最近は『大鏡』を読むことが多いですが、参加者からの希望により他の作品を読むこともあれば、近代文語のテキストとして森鴎外「舞姫」や山田孝雄『日本文法学概論』(!)を読んだ年もあります。参加者の訳読が中心ですが、あわせて辞書の使い方(現代のもの、昔のもの)や日本語史上の諸問題についても学んでいきます。参加者は毎年少ないのですが、その分、各自の能力や必要に応じた授業展開を心がけています。参加者は、毎年地域言語(と国籍・身分)を問わず集まっています(院生、外国人研究生、教員(!)…)。あなたが参加する年はどうなるか、乞うご期待。
卒論・卒業研究について
「外国語大学」だけに、担当教員の専門に近いテーマ(古代語文法)を選ぶ人はあまり居ません。 (過去の卒論のテーマ)・「ようだ」と「らしい」の用法比較 ・使役文と他動詞文の関係 ・琉球語と古代語の対照(係り結びについて 風間先生と共同指導) ・授受動詞構文と動詞の意志性 ・近現代短歌の文体(口語体定着の要因について) ・明治初期の「です」の上接語について ・糸魚川方言の「しん」について ・ガ格名詞終止文 ・疑問終助詞「か」の有無と疑問文の意味との関係 ・「見る」の可能表現(見える、見られる、見れる、見ることができる)の使い分け、日本語学習者における使用の特徴 ・役割語としてのフィラー ・歌の旋律と語アクセントとの関係 ・『大鏡』の助動詞「つ」「ぬ」の用法 ・「まである」の新用法 ・アスペクトの観点から見た「食べてある」の特殊性 ・夏目漱石の小説における否定の助動詞 ・中古中世の終助詞「よ」「な」の用法 ・「好く」の格支配の歴史 ・大鏡における「つ」「ぬ」の使用実態 ・言文一致体の成立過程 ・早押しクイズ出題用疑問文における連体修飾成分の特徴 ・「部屋を掃除する」と「部屋の掃除をする」等の異同 (過去の卒研のテーマ)・『大鏡』の動詞結合価に関するデータベースの作成 ・『枕草子』の「る・らる」「す・さす」用例データベースの作成 ・『大鏡』巻第三・第四の「る・らる」「す・さす」用例データベースの作成 ・現代語「動作性名詞+“中”」の用例調査 卒論・卒研とも、現代語文法に関するものはもちろん、日本語が対象であれば、文法以外のテーマであってもできるだけ引き受けます。ただし、指導教員希望調査の際(またはそれ以前)に必ず相談してください。
受講上の注意など
1 演習では、高度な古典読解力は必要ありませんが、高校で教わる程度の古典文法の知識は必要です。 2 川村の指導で卒論・卒演を作成しようと考える人には、以下のことを強く勧めます。 ・ 2年次までに言語学に関する入門的授業、音声学の授業を履修する。 ・ 3年次までに「日本の言語を知る1・2〔国語学〕」(月・2)を履修する。 ・ 3年次に「古典日本語文法1・2」(当分の間川村以外の先生が担当)または他の先生の日本語学に関する講義を受講する。 ・ 図書館にある日本語学関係の研究書をできるだけ読み、自分の興味のある分野をしぼっておく。
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