2020年度
2019年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
専門:中央ヨーロッパ史(ハプスブルク帝国史、チェコスロヴァキア史、チェコ史、ガリツィア史-現在のポーランド、ウクライナの一部)、特にその近・現代史。国民形成論、ナショナリズムの諸問題、社会主義体制下での日常史、異論派運動、都市史、文化財保全の思想・運動・制度、第二次世界大戦の記憶、中・東欧における絶滅政策 卒論指導可能分野:ドイツからロシア帝国・旧ソ連西部にかけての近現代史、文化と社会にかかわる諸テーマ。19、20世紀を中心とするヨーロッパ史全般。
演習題目
ゼミ紹介
中央ヨーロッパの近現代史は、断絶と強固な連続性によって特徴づけられます。現在、私たちが知るこの地域の国家秩序は、19世紀後半になっておぼろげな姿を現し、第一次世界大戦で長い歴史を持つ諸帝国が解体した後、ようやく明確な形を取りました。さらに、第二次世界大戦による破壊、ナチ・ドイツによる絶滅戦争、人種政策や、スターリンの社会改造、そして戦争末期から戦後の住民追放によって、中央ヨーロッパの住民構成は断絶ともいってよい変化を被りました。 このような変化によってもなお、「中央ヨーロッパ的」な文化、景観、歴史に対する意識・態度、といったものを語ることができます。「中央ヨーロッパ的」とは、定義できるものであるより、それぞれの研究の結果、見えてくる文化的風景です。そして、そこに到達する過程で、みなさんは、「中央ヨーロッパ的」な問題関心、ある種の「感覚」は、広く、深く、みなさんの生きている場、現代の諸状況に活かせることを知るでしょう。 演習は、文献の講読を通じて、中央ヨーロッパ史にアプローチする方法を学び、同時に参加者各自が卒業論文・制作に向けたテーマを発見することを目指します。アクティヴ・ラーニングでは、日本国内の近現代史にかかわる遺産を訪ね、みなさんのテーマとのかかわりを考えます。昨年は、東村山の国立ハンセン病資料館、および草津の重監房資料館(合宿)を訪問しました。
卒論・卒業研究について
2019年度の卒業生の卒論テーマは次のようなものです。 ・イディシズムの中のユダヤ文化保護活動「ザムルング」:アン=スキの活動を中心に ・日本におけるポーランド・イメージの変化:図書の分析を中心に ・チェコスロヴァキアにおける第二次世界大戦の国民の記憶:アンソロポイド計画をテーマとする歴史映画を通して ・民衆的カトリックからみるスペイン内戦 ・チェコにおけるパネル式集合住宅の歴史と現在:共産主義の負の遺産か、文化遺産か ・岩倉使節団のオーストリア観の特質と近代化への選択肢:『特命全権大使米欧回覧実記』を通じて ・チェコスロヴァキアの「正常化」時代:1968年から1989年をパブリック・アートから考える ・誰のためのシュプレー川か:フリードリヒスハイン・クロイツベルク再開発計画を巡る歴史からの考察 ・シレジアにおけるチェコ・ナショナリズムの萌芽と変遷:チプリアン・レレクに焦点を当てて ・マルタ共和国における文化の多様性と保護
受講上の注意など
・中・東欧の歴史や文化に関心のある方は、英語のほか、ドイツ語、チェコ語、ポーランド語、ロシア語のいずれかの言語の読解能力があることが望まれます。 ・ただし、昨年度、提出された卒論の題目を見ていただければわかるように、ゼミには中央ヨーロッパ以外のヨーロッパ近現代史、日本近現代史に関心のある方も歓迎します。
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