2020年度
2019年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
歴史学 日本近世史、社会・文化・政治・経済・ジェンダー
演習題目
ゼミ紹介
2011年3月11日に起きた大地震と津波、そして原発事故は、多くの人びとの生活を変えてしまいました。地域に受け継がれてきた歴史的な遺産や景観も大きく変化しました。江戸時代に防砂林として植林された岩手県陸前高田市の7万本もの高田松原が、大津波にのみこまれ、一本だけ生き残った松があったことは、皆さんもご存じのことと思います。このように一瞬にして先人達が培ってきた遺産が失われてしまったばかりでなく、日頃は身近で気づかないものの、歴史を重ねてきた味わいのある建物や町並みも失われてしまいました。 私たちの身の回りに、普段は気づかずにいる風景の中に、地域の歴史を語ってくれるものが何気なく存在しています。無くなってみてはじめてその重要さに気づく、それでは実は取り返しがつきません。日本の伝統的な建物や町並み、景観、そして人びとの暮らしや営みなど、現代の中に残された歴史遺産を発見し、その歴史を説き明かしていく作業を一人一人にしていただくことで、日本社会に対する理解を深めてもらいたいと思います。 また、私たちにはあまりにも日常的になっている風景が、実は他者の目には異なる姿に写ることがあります。伝統的な日本の生活や文化や産業が、海外の視点でどのように見えるのか、歴史的に日本がどのようにみられてきたのかを知ることで、新たな日本が見えてきます。 このような視点から、このゼミでは日本の伝統社会を、多様な切り口から分析し、理解を深めていきます。 なお、春や夏に古文書(史料)調査合宿にでかけます。古い土蔵に納められた古文書に触れ、生の伝統社会に接することで、昔の人が何を思い行動したか、臨場感を持って感じることができ、とても興味深い世界が広がります。ぜひ皆さんのご参加をお待ちしています。
卒論・卒業研究について
卒論のタイトル(例示) 「弘化四年善光寺地震の災害と現代-新潟県中越地震との比較において-」 「西師意「治水論」にみる近世日本の治山策と西欧的森林管理制度の融合」 「近代日本の産業-マッチ産業の展開と海外貿易」 「幕末における加納藩和傘の生産と流通-専売制の導入による変化に着目して-」 「飯盛女と飯盛旅籠屋-東海道藤沢宿と川崎宿を事例として-」 「近世木下河岸を巡る河岸問屋と村との利害対立-寛政2年の村方騒動を事例として-」 「近世淀川舟運における柱本煮売茶船の実態と独占営業権をめぐる対立」 「ドン・ロドリゴ日本見聞録と宗教的な観点から見た日西通商関係」
受講上の注意など
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