2023年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
「旧ソ連地域研究」と「経済体制論」 卒論の専門領域は、旧ソ連地域研究の分野では社会科学全般。歴史はおもにソ連期以降。経済体制論ではとくに地域を限定しない。
演習題目
ゼミ紹介
<旧ソ連地域の政治・経済・社会> ロシアをはじめとする旧ソ連構成諸国の政治・経済・社会・歴史に関する研究 <経済体制論> 市場経済体制の「制度」に関する比較研究 これまでこのゼミでは、ロシアを中心とした旧ソ連構成諸国と中東欧諸国をおもな対象として、その歴史と現状を社会科学の方法によって考察することを課題としてきました。2023年度は、ロシアによるウクライナ侵攻の背景となる政治・経済・社会・外交をめぐる歴史的・構造的問題を解明することに取り組んでいく予定です。ロシアなどの旧ソ連地域についてはステレオタイプな見方が強く、単純な図式をあてはめた説明や不正確な論説が多く見られます。この地域の現状を正確に理解するためには、社会科学の理論と方法を用いた、正確な事実に基づく考察が必要です。このゼミでは、そのような研究手法を習得することを目的にしています。したがって、この地域についての事実や具体的な知識を習得するだけでなく、それに取り組むための社会科学の研究手法を学ぶことを重視しています。 2024年度からは、第2の研究テーマとして、市場経済体制の比較研究を並行して行う予定です。現代の資本主義経済は、市場経済が経済活動全般の基軸となる役割を果たしており、国家と社会の在り方も市場経済と深くかかわっています。その市場機構が経済活動を調整する機能を果たすためには、その制度的基盤が必要であり、それは歴史的・文化的に形成されてきたものです。その「制度」と「文化」に応じて、市場経済体制は国と地域によってかなり異なる様相を呈しています。そうした「市場」と「制度」の関係を比較考察することが課題です。この第2のテーマについては、地域を限定せずに比較考察を行います。 3年次の段階では、上記のテーマに関する研究文献を読み、資料を収集・分析し、議論をする作業を通じて、各自が将来の卒業論文のテーマとなる課題を決めることが目標です。またゼミでの作業を通じて、日本語・外国語の文献を正確に理解し、プレゼンテーションとディスカッションを行い、論理的な文章を記述するスキルを高めることも重要です。 前半は共通の文献を読み、討論を行います。後半は、各自が決めたテーマに従って研究報告を行ってもらい、それをもとにディスカッションを行います。
卒論・卒業研究について
過去2年間の卒業生の卒業論文のテーマは下記のとおりです; ・バラ革命以降のグルジアにおけるポピュリズム:サアカシュヴィリの「未完成のポピュリズム」と政権交代後の欧州型ポピュリズム ・メドベージェフ政権における外交政策の特徴は何か:「近代化」外交の背景にある双頭の考えに基づく検討 ・移民労働者をめぐるロシアと中央アジア諸国の関係:グローバル・ガバナンス構想の可能性 ・現代中央アジア諸国における地域共同体の可能性に関する検討 ・EU・ウクライナ連合協定締結の経済的影響:鉄鋼業を事例として ・ユーロ導入がポーランド経済に与える影響:海外直接投資をめぐる議論との関係
受講上の注意など
ロシア語の運用能力を参加の条件とはしないので、専攻言語がロシア語以外の人でも受講できます。ただし、それぞれの専攻言語の資料を読んで理解するための努力が求められます。また、社会科学のいずれかの分野の基礎知識が必要となります。必須ではありませんが、各自が選択した学問分野に対応した国際関係コースの導入科目・概論科目を履修しておくことを勧めます。
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