2025年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
語用論、談話(会話・作文)分析、日本語教育、コーパス分析
演習題目
ゼミ紹介
私自身は、人が言葉で何かを伝えようとする時、それをどのように伝えるのかに関心をもち、会話や作文を主なデータとして言語表現や談話構造、それに対する評価の研究をしてきました。 気になる研究テーマが見つかったら、先行研究に当たって適切な分析手法や枠組みを検討し、とにかく分析してみることを心掛けてきたので、学生の皆さんにも自由な発想で自身の関心を掘り下げ、計画を練って研究を遂行してほしいと思います。どのようなデータを集め、どのように分析するか、どう論じたら説得力のある論文になるか等、ゼミの仲間と議論しながら研究を形にしていくことで身につけられる力は、社会に出てからも役立つはずです。 ゼミでは、以下のような文献を参考にして基本的スキルを養いながら、ゼミ生との協働学習を通して各自の研究を洗練させていきます。 ・田中典子(2013)『はじめての論文 語用論的な視点で調査・研究する』春風社 ・本田弘之他(2014)『日本語教育学の歩き方 初学者のための研究ガイド』大阪大学出版会 ・石黒圭(2021)『文系研究者になる―「研究する人生」を歩むためのガイドブック』研究社
卒論・卒業研究について
語用論や談話(書き言葉・話し言葉)の分析、日本語教育などに関連する研究が中心となります。これらの分野は研究の視点も多岐にわたるので、これまで研究指導をしている学生のテーマも参考にしてください。 ・『多言語母語の日本語学習者横断コーパス:I-JAS』を用いたあいづち使用実態に関する分析ー日本語学習者と母語話者の比較からー ・SNSにおける「かわいい」の複合語の使用実態と使用意識 ・韓国人日本語学習者と日本語母語話者の美化語使用―「多言語母語の日本語学習者横断コーパス:I-JAS」を用いた「お/ご+名詞」の分析― ・アニメキャラクターの性格的キャラと言語表現の関係 ・接触場面における「ほめ」の分析:日本語母語話者とタイ人日本語学習者の解釈の差異 ・ロシア語母語話者日本語学習者の「不満表明」への反応に関する語用論的研究 ・中国人日本語学習者の「ほめ」に対する返答の考察-内容と性別差による返答スタイルの違いについて- ・ストーリーテリングにおけるタイ語母語話者日本語学習者の事実条件文の使用 ・感謝・再感謝表現の日中対照研究:ポライトネス理論の観点から ・三者間会話におけるスピーチレベルの選択とシフト ・「だろ(う)」と「でしょ(う)」のスピーチレベル・シフト ・大学生同士のSNS交流における「ほめ」の日中対照研究―中国語・日本語母語話者を対象に― ・アラビア語を母語とする日本語学習者の会話における依頼展開 ・スロベニア語を母語とする日本語学習者の許可求め ・中国人の日本語涯学習者の動機づけの構造と変化 ・非漢字系学習者の漢字学習の動機付けの変化 ・学習者の作文に対する日本語母語話者教師の記述式フィードバックにおける記述・非記述とその判断要因 ・教師添削とピア・レスポンスの順番が作文に与える影響
受講上の注意など
・授業で使う言語は日本語、扱う文献は日本語または英語です。 ・語用論や談話分析に関する基本的知識があることを前提とします。 ・人数制限をする際は、日本語教育学演習9「コーパス研究入門」(本年度は李在鎬先生開講)を受講している学生を優先します。
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