2025年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
日本語の文法論、語彙論、日本語教育文法など
演習題目
ゼミ紹介
・「日本語学概論1」の授業などで、日本語の文法現象に興味を持った方にお勧めのゼミです。 ・専門は日本語文法論ですが、20年以上日本語教育に携わっているので、日本語教育に応用できる文法研究や、(個人的な興味として)学校文法との違いや国語教育の改善に関する研究にも興味があります。 ・このゼミの研究手法は以下の通りです。 まず漠然とでもいいので、自分が気になる文法(語法)項目に関して、広く先行文献を参照した上でテーマを絞り込み、明らかにしたいことを定めます。その上で、自分の手や頭を使って調査をします。調査・分析の方法も色々とありますが、基本的には、集めた用例を分析して記述していくという「記述文法」のスタイルを取っています。 ・文法について何か調査をしてみたいけれど、まだはっきりとテーマが決まっていない、または、気になるテーマがあるけれど実際に卒論の内容になり得るのか不安、といった悩みを抱えている学生さんには、その段階から相談に乗ります(むしろ当然の悩みです)。 ・ゼミは26年度スタートですので1期生(!)になりますが、修士以上の先輩たちはたくさんいます。ともすれば悩みがちな研究活動に楽しく取り組めるように、和気藹々として話しやすいゼミを目指しています。
卒論・卒業研究について
卒論ゼミは、26年度からスタートするので、実績はまだありません。 修論テーマは以下の通りです。少し丁寧に書きます。 ・【終助詞「ヨネ」の研究】(「よね」は、「よ」+「ね」という足し算なのか?) ・【推論を表すノダに関する日中対照研究】(「あれ、傘をさしている人がいる。雨が降っているんだ」のようなノダで推論を表す表現は中国語母語話者には非常に難しい、というところからの研究) ・【パーフェクトを表す「〜シテイル」に関する日中対照研究】(「学生時代、彼は留学に2回行っている」のようなシテイルは、中国語母語話者の作文にほとんど現れない、というところからの研究) ・【部分否定を表す「ワケデハナイ」に関する日中対照研究】(「ずっとそのレストランにいたわけではない」は、レストランにいたこと自体を否定しておらず、部分否定と言えるが、中国語には部分否定を表す専門形式がない、というところからの研究) ・【「完了」を表す「シテシマウ」の出現環境の研究】(日本語教育には「してしまう」を「完了」と「残念」という2つの用法がある項目として導入しているが、実際に「完了」のみを純粋に表す文って本当にあるの?という疑問から始まった研究) ・【「ツモリダ」の意味用法と使用実態の研究】(「大学中に留学に行くつもりです」のような意志を表す用法だけではなく、「あいつはお姫様のつもりだぜ」「買ったつもりで貯金する」など実は用法が多岐にわたる「つもりだ」の全貌を明らかにしたい、という研究)→このあと、博士課程に進学 ・【ツッコミ用法の「ヨ」の研究】(終助詞「よ」は一般的には聞き手が知らないことを教示する時に使いますが、最近の若者言葉などで「何だよ、可愛いかよ」「(Xの投稿などにおいて)←何の話よ」のようなツッコミ的な用法があるのでは、という研究) ・【人称表現の日中対照研究】(日本語は人称の省略が多く見られますが、中国語の翻訳書ではそれを変に復元して間違った解釈になっているものもある、という気づきからの研究) ※日中対照が多いのですが、中国語母語話者の留学生が多かったためです。 ※幸松は韓国語との対照研究は自分でも実際に行なっており、韓国語との対照研究を行う方も大歓迎です。
受講上の注意など
・幸松担当の「日本語学概論1」を履修していることを条件とします。 ・幸松の専門科目・演習の授業は26年度からスタートしますので、25年度3年生の方はこれらの履修を条件にはしませんが、やはり、日本語学分野で卒論を書こうとしている方であれば、これまでに日本語学系の専門科目や演習の授業を受講した経験があることが望ましいです。
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