2025年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
ドイツ語学、ドイツ語と他言語の対照研究、ドイツ語学を軸とする文化研究、DaF (= Deutsch als Fremdsprache)
演習題目
ゼミ紹介
私の専門領域である「ドイツ語学」については、誤解が多いのですが、いわゆる「語学」としてのドイツ語のことではなく、ドイツ語を対象とする「言語学」という意味です。 ゼミで取り上げるテーマはドイツ語の文法のことが中心になるでしょう。とはいえ「語学」の時間ではないので、みなさんがイメージする「文法」の時間とは違います。例えばみなさんは、ドイツ語で進行形と非進行形を区別しないでどうして困らないのか、考えたことありますか?「人称変化を覚えるだけで大変なのだから、ひとつの形で済んでラッキー!」くらいにしか思っていませんか? 実際の文章に出て来た ich mache が「スル」を表しているのか「シテイル」を表しているのか、その都度な~んとなく「直感」で判断してお茶を濁していませんか? あるいは、そもそも「どっちでもいい」とさえ思っていませんか? 確かに「語学」の問題としては、実害が生じなければそれでいいのかもしれません。しかし、その程度の翻訳であれば、いずれ AI のほうがある意味はるかに「確実な」答えを出してくれるようになるかもしれません。外大に学びながら、そうした「語学」レベルの発想に留まっていたのでは、AI との競合を強いられるのが関の山です。コンピュータならぬ「勘」ピュータを駆使できる「人間」として勝負して行くには、上述のような、ふだんは何とも思っていない、空気より希薄な存在である自らの「直感」にきちんと向き合うこと―すなわち反省が大切です。反省は AI にはできません。それができるのが人間です。 「反省」と言うと、ちっとも楽しそうに聞こえませんが、少なくとも私のゼミは、人間にだけ許された知的営みという意味での反省を、ドイツ語を手がかりとして実践し、「人間」を探求しながら、ドイツ語を「楽しむ」時間にしたいと思っています。
卒論・卒業研究について
卒業論文はこれまで、ドイツ語の音声学・音韻論、文法論や語彙論、社会言語学、日本語との対照研究などの領域で書かれています。詳しくは藤縄HPのゼミ案内を参照してください: http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/fujinawa/semi.php ドイツ語学に関わるものであれば、他の領域の研究(歴史言語学、方言学、日本語以外の言語との対照、AI と言語、など)や学際的研究(翻訳論、文学作品の言語学的分析、言葉と音楽など)も指導します。 卒業研究は、過去に事例は少ないですが、むろん可能です。教材開発や資料的価値のあるドイツ語文献の翻訳などが考えられると思います。
受講上の注意など
CEFR B1 相当のドイツ語力が必要です。専攻言語としてドイツ語を履修した人は 3 年次への進級要件を満たすことで、自動的にこのレベルに達していると見なします。他言語専攻生は個別に相談に応じます。その他、詳細は上記 HP のゼミ案内を参照してください。
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