タイトル
     2017 年度   総合国際学研究科
  
言語基礎論   
時間割コード
741D0094
担当教員(ローマ字表記)
  中山 俊秀 [NAKAYAMA Toshihide]
授業開講形態 授業形態 単位数 学期 曜日・時限 実務経験のある教員による授業
  講義 2 春学期 火5 -
授業題目(和文)   
文法の動的体系性を探る:文法の多重性と分散性(1)
 
Title(English)   
 
授業の目標   
従来の文法研究においては、文法体系が一つの統一的な規則体系をなしているという前提でモデル化や記述がなされることが多い。しかしながら、言語使用・言語変化に見られるパターンは使用環境(書き言葉・話し言葉、異なったジャンルなど)によって大きな差異を見せる。こうした差異・バラツキは、これまで「ジャンル」や「スタイル」といった「言葉の使い方」に関する現象として文法体系の本質とは別次元に属するものと考えられることが多かった。しかしながら、観察されるバラツキは発音、語彙、形態法、統語法、語用論、文法化現象など幅広い範囲の構造的規則に及んでおり、文法体系の議論から切り離すことには無理がある。
そこで、この授業では、使用基盤言語学、相互行為言語学など言語使用・言語変化の実態と親和性の高い文法研究アプローチにおける先行研究を参考にしつつ、(1) 構造規則や文法パターンに見られるバラツキに見られる体系性を明らかにするとともに、(2) そうしたバラツキを文法体系の本質として位置付けることを可能にする新しい理論的枠組みの探求を目的とする。
 
Goals of the course   
 
授業の概要   
この授業では、一言語内に含まれる構造規則や文法パターンの多重性(多様な形式の併存)と分散性(局所的な分布)に焦点を当て、その実態の把握、バラツキの中の体系性の分析を行い、さらに複数の多様な規則を同時に内包する体系として文法を捉え直す方策を考察する。
 
Overview of the course   
 
キーワード   
使用基盤言語学、相互行為言語学、ジャンル、文法化、言語変化
 
Keywords   
 
授業の計画   
本授業では、以下の3つを通して、文法の多重性と分散性に関する共同研究を進める:

1) 文法の多重性と分散性に関する文献講読とディスカッション
関連する先行研究の成果を読みつつ、文法の多重性と分散性に関する研究について、その着想につながる動機付けから、文法システムと構造の捉え方、研究の方向性や方法論などに至るまでを確認し、議論する。

2)文法の多重性と分散性に着目した共同研究
日本語の会話データを基盤にして文法体系の多重性と分散性を捉える方法を受講者全員で議論し模索する。

3)受講者各自の関心に即した研究
受講者の関心、研究対象言語に即した形で話しことばに基づく言語研究テーマを設定し、研究を進め議論する。
 
Plan   
 
成績評価の方法・基準   
共同研究および授業への積極的参加;授業での発表・報告;開発した研究テーマの報告
 
Grading system for assessment   
 
事前・事後学習【要する時間の目安】   
特に必要ない
 
Preview/review   
 
履修上の注意   
議論を通して受講者各自が考えを深めるプロセスを重視するので、積極的な授業参加が必須である。
 
Notes   
 
教科書  
 
参考書  
 
使用言語  
未選択()
 
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