タイトル
     2017 年度   国際社会学部
  
哲学・社会思想B   
時間割コード
422025
担当教員(ローマ字表記)
  丸山 文隆 [MARUYAMA Fumitaka]
授業開講形態 授業形態 単位数 学期 曜日・時限 実務経験のある教員による授業
    2 秋学期 月4 -
授業題目(和文)   
人間の自由に関する哲学
 
Title(English)   
Philosophical Treatise about Human Freedom
 
授業の目標   
人間の自由に関する哲学史の議論の主要なポイントを理解し、さらにそれをもとにハイデッガー『存在と時間』における「良心論」の主要ポイントを理解する。
 
Goals of the course   
To acquire a basic understanding of Heidegger's "Being and Time."
 
授業の概要   
諸学問が「すべてはどのように存在しているのか」という一つの問いに対する応答であるとすれば、諸学問が第一に問わねばならないのは「存在するものをどのように区分すべきか」という問いであり、この問いは哲学の問いである。哲学における諸議論のうち、「われわれ人間は、その他すべての存在者とはまったく異なる存在の仕方をしている」とする立場はかなり有力であり、しかもその際、人間の存在の特徴として「自由」が挙げられることがある。20世紀哲学の最高の達成のうち、自由に注目しつつ人間の存在を明らかにした議論として、マルティン・ハイデッガーの『存在と時間』第一部第二篇第二章における「良心論」を理解することができる。彼が主張するのは、「良心」という現象において、人間の存在の、「・・・ではない」ということの「根拠である」という性格が明らかになるということである。
本講義は、哲学史における「自由」や「良心」に関する議論のポイントを押さえたうえで、ハイデッガーのこの主張がどのように理解されるべきものであるかということを明らかにすることを目指す。
 
Overview of the course   
Students will learn how Martin Heidegger considers the essence of human freedom in the chapter II of the division two of the part one of his “Being and Time.”
 
キーワード   
哲学、自由、良心、否定
 
Keywords   
philosophy, M. Heidegger, ontology, and I. Kant
 
授業の計画   
以下はあくまで予定であって、受講者の関心や理解の度合いに応じてさまざまに変化しうる。
ことに「質疑応答」は当然ながら、どの時点にどれだけ行うかを予告することができない。

第一回  哲学とは何であるか
第二回  自由論(1):カント『純粋理性批判』の概要
第三回  自由論(2):『純粋理性批判』の「第三アンチノミー」の概要
第四回  自由論(3):カントにおける道徳感情と、哲学史における良心論
第五回  質疑応答
第六回  アクティヴ・ラーニング(I):小レポートの作成
第七回  『存在と時間』(1):『存在と時間』の概要
第八回  『存在と時間』(2):先駆的決意性の教説。死について
第九回  『存在と時間』(3):先駆的決意性の教説。良心について
第十回  『存在と時間』(4):「ないということの根拠」とはどのようなことか
第十一回 質疑応答
第十二回 われわれは『存在と時間』から何を学びうるか(1):肯定判断の真理について
第十三回 われわれは『存在と時間』から何を学びうるか(2):否定判断の真理について
第十四回 アクティヴ・ラーニング(II):小レポートの作成
第十五回 期末試験、または総括と補足
 
Plan  
 
成績評価の方法・基準   
基本的に期末試験(100%)により評価する。ただし、受講者の数によってはアクティヴ・ラーニングの小レポート(20%)と期末レポート(80%)による評価に変更する可能性がある。
 
Grading system for assessment   
Final exammination (100%)or Reports(two short reports 20% and final report 80%)
 
事前・事後学習【要する時間の目安】   
毎回の授業後に、講義された内容を理解するために必要な文献を各自で読み、それについて次回の質疑応答の時間に発言することが推奨される。
 
Preview/review   
For each lesson, students are required to look at the references cited below for topics relevant to each lesson.
 
履修上の注意   
講義後半には、かなり専門的な議論が展開される予定であるが、そのために必要な導入的説明を講義前半で行うため、講義開始時には特に何の予備知識も必要としない。
かなり密度のある講義であるから、毎回体調その他を整えたうえで、最高の集中力をもって受講されたい。
日本語能力に自信のない受講者や、単位取得を希望しない受講者に対してのみ、適宜補助教材を提供する。
※教職:哲学、倫理学、宗教学
 
Notes   
The talks will be given in a highly concentrated manner. Thus, supplementary materials are available for participants who are less experienced in listening to the Japanese language.
※教職 科目区分:哲学、倫理学、宗教学
 
教科書  
 
参考書  
参考書1 ISBN 978-4480058775
書名 ハイデガー入門
著者名 細川亮一 著, 出版社 筑摩書房 出版年 2001
備考
参考書2 ISBN 978-4121600516
書名 存在と時間
著者名 ハイデガー [著],原佑, 渡邊二郎 訳, 出版社 中央公論新社 出版年 2003
備考
参考書3 ISBN
書名 『哲学の歴史』全12巻
著者名 出版社 中央公論新社 出版年
備考
参考書4 ISBN 978-4003367322
書名 シンボル形式の哲学
著者名 カッシーラー 著,木田元 訳, 出版社 岩波書店 出版年 1991
備考
参考書5 ISBN 978-4140911945
書名 論文の教室 : レポートから卒論まで
著者名 戸田山和久 著, 出版社 NHK出版 出版年 2012
備考
 
使用言語  
日本語(J)
 
ページの先頭へ