タイトル
     2017 年度   国際社会学部
  
経営学概論B   
時間割コード
323009
担当教員(ローマ字表記)
  渡辺 周 [WATANABE Shu]
授業開講形態 授業形態 単位数 学期 曜日・時限 実務経験のある教員による授業
    2 秋学期 月4 -
授業題目(和文)   
経営組織論(メゾ・マクロ)
 
Title(English)   
Group Dynamics & Organisational Theory
 
授業の目標   
・経営組織論の基本的な概念と枠組みの意味を理解すること.その上で,それを正しく使用でき,身につけること.さらには,出来れば,実際の状況に適用して,組織内の集団の動きが自ら分析出来るようになることと,組織設計の問題解決に向けて活用出来るようになること.

※前半部分の心理学・社会心理学系の組織論(ミクロ分野・組織行動論)と,後半部分の社会学系の議論(マクロ分野・組織設計論)は,大いに色合いが異なる.他者を了解する力量と,クールに設計する力量の両方が必要であることに気をつけてほしい.
 
Goals of the course   
By the end of the course, students should have a deeper understanding of different aspects of organisational theory, the frameworks associated with each, and the situations in which the frameworks can be used.
 
授業の概要   
・経営学概論は,春学期と秋学期が連続した科目として構成されており,2つの科目によって,経営組織に関連する主要な概念を解説する.経営組織を分析するためには多様な基礎学問分野の概念を理解する必要がある.なぜなら,顧客への価値提供という目的のために分業と協業が行なわれている企業組織では,その目的を中心としながらも,それ以外の社会的な相互作用も展開されているからである.そのため,企業組織を巡る現象は,心理学的な側面や社会心理学的な側面,社会学的な側面など多様な学問分野から複眼的に考察する必要がある.経営組織論は,このような多様な基礎学問分野にまたがる概念とそれが含意する社会的なメカニズムを広くカバーした上で,それらの知見を踏まえながら,組織をいかにして設計していくのかという問題を解説していく.

・秋学期開講の本科目(経営組織論(メゾ・マクロ)では,春学期(経営組織論(ミクロ)の内容に続けて,まず組織内の集団に主たる焦点をあて,集団の構造やパワーの議論を紹介した後,成果,意思決定などが個々人の単なる集計とどのように異なるのかを検討する.その上で,これらの概念と枠組みを前提として,組織において役割をどのように分け,それをどのように水平的・垂直的に統合していくかを議論する.
 
Overview of the course   
Build on earlier basic business administration course and introduce more advanced toolkits and frameworks for organisational theory.
 
キーワード   
経営組織論,組織行動論,組織心理学,産業心理学,集団,パワー,マクロ組織論,組織設計論
 
Keywords   
Organisational Theory, Organizational Behaviour, Organizational Psychology, Industrial Psychology, Group. Power, Organisational Design
 
授業の計画   
1 組織の中の集団(集団の構造)①
2 組織の中の集団(集団の構造)②
3 組織の中の集団(集団とパワー)①
4 組織の中の集団(集団とパワー)②
5 組織の中の集団(集団の成果)①
6 組織の中の集団(集団の成果)②
7 組織の中の集団(集団と意思決定)
8 アクティブラーニング1:映画「12人に怒れる男」を見て,設題に答える
9 組織構造(コンティンジェンシー理論)
10 組織構造(組織設計1:組織設計の基本型)
11 組織構造(組織設計2:分業)
12 アクティブラーニング2:「ザ・ゴール」を読み,設問に答える
13 組織構造(組織設計3:官僚制的調整メカニズム)
14 組織構造(組織設計4:水平関係)
15 まとめと講義の振り返り

※なお,複数回の抜き打ち小テストを行い,また,この授業の受講者の人数,理解度合いや,質問・議論にかかる時間が年度によって異なりますので,次の授業に若干の内容を積み残したり,逆に次回の内容の頭出しを前の授業でにやってしまうことがあります.それぞれのトピックを90分間で話せるように授業内容を決定しているわけではなく,90分×13回という全体の枠の中で必要なトピックを選び出し,それを13回に割っているため,この計画で同じ1回分でも密度に微妙な違いがあります.そのため,授業はピッタリこの計画通りに進むわけではないことを予め承知しておいて下さい.
 
Plan   
1 Group Structure 1
2 Group Structure 2
3 Power and Group 1
4 Power and Group 2
5 Group and its Performance 1
6 Group and its Performance 2
7 Group and Decision Making
8 Active Learning 1: Movie "12 Angry Men"
9 Contingency Theory
10 Basics of Organizational Structure
11 Division of Labor
12 Active Learning 2: "The GOAL"
13 Coordination Mechanism 1
14 Coordination Mechanism 2
15 Wrap-up

 
成績評価の方法・基準   
原則として,アクティブラーニング15点×2回+期末試験70点の100点満点によって採点します.
期末試験とアクティブラーニングの採点は,授業の目標に沿って,得点が次のようになるように行います.

60-69: 授業で扱った経営組織論の基本的な概念と枠組みについて7割以上は適切に意味を理解している
70-79: 授業で扱った経営組織論の基本的な概念と枠組みについて8割以上は適切に意味を理解している
80-89: 授業で扱った経営組織論の基本的な概念と枠組みについて8割以上は適切に理解した上で,正しく使用でき,身に付いている.
90-100: 授業で扱った経営組織論の基本的な概念と枠組みについて8割以上は適切に理解し,その上,それを駆使して自ら実際の組織行動分析が出来る.

ただ,皆さんに毎回復習をしてもらえるよう授業では時々抜き打ち小テストを実施すると共に,発言を求めるため,発言による貢献があった場合や小テストで優れた点数をとっている場合,それを加算することがあります.
また逆に,特別な事情によりこの成績評価方法に従って採点することが著しく不適当であると担当教員が判断した場合は,別段の取扱をすることがあります(例えば,公欠に該当する事由で期末試験日を欠席した場合に追試を行ったり,遅刻・私語などの授業妨害により何度も注意を受けた場合には減点したりすることがある,ということです)

これらの方法については,オリエンテーションで詳しく説明しますので,必ず第1回目の授業に出席して下さい.やむを得ない事情によって出席できない場合や急病等の場合には,出来るだけ早く(遅くとも2回目の授業までに.事前に分かっている場合は事前に)メールで連絡し,指示を確認して下さい.授業の内容と到達目標について,きちんと理解してもらってから受講してもらうためです.
 
Grading system for assessment   
Active learning (each 15%)
Final exam (70%)

I may give some points (up to 30) if you make a contribution to the discussion in the class. The final exam is a closed book test: you cannot bring any resources to the exam.
 
事前・事後学習【要する時間の目安】   
授業では時間の許す限り,前回の授業の復習を兼ねた小テストか小レポートを行い,理解度の確認と講義内容の定着を図ります.ですから,授業の内容をしっかりと復習して下さい.また,日々みなさんは組織と接しているはずなので,その際に授業で扱った概念と枠組みを用いて,それを分析するようにして下さい.そのように実際に理論枠組みを使うことが,授業への理解を高めることと,組織内の個人の動きを分析する領域の面白みを発見することの手助けとなるはずです.
 
Preview/review   
An attendant is required to prepare to be able to solve quizzes every week. Additionally, students will benefit from relating course topics to current events. Accordingly, students are encouraged to keep up with business publications (Nihon Keizai Shimbun, Nikkei Business, The Wall Street Journal, The Nikkei Weekly, The Economist, etc)
 
履修上の注意   
春学期の経営組織論(ミクロ)の履修を前提とします.春学期の内容と関係する箇所については,春学期の内容を思い出してもらいながら授業を進めていきますが,春学期の内容を1回も学んでいない場合は,相応の追加的努力が必要になると思います.

なお,この授業は,2016年度の経営学概論A(秋学期),もしくは,経営学概論B(春学期)で既に単位修得した人でも,再度,単位修得することが出来ます(2016年度においては,経営学概論も初学者を対象に経営学の幅広い内容を講義をしたため,内容的に重ならないため).
 ただし逆に,本年度,この経営学概論Ⅱ(秋学期)で単位を修得した場合,2018年度以降に経営学概論Ⅱ(秋学期)を再度,履修することは出来なくする予定です(制度上は,反復履修可能ですが,来年度以降も同じ内容をやる予定のため)
 
Notes   
 
教科書  
教科書1 ISBN 978-4532110239
書名 組織デザイン
著者名 沼上幹 著, 出版社 日本経済新聞社 出版年 2004
備考
 
参考書  
参考書1 ISBN 978-4779502439
書名 経営組織心理学
著者名 若林満 監修,松原敏浩, 渡辺直登, 城戸康彰 編, 出版社 ナカニシヤ出版 出版年 2008
備考
参考書2 ISBN 978-4561265634
書名 行動意思決定論 : バイアスの罠
著者名 M.H.ベイザーマン, D.A.ムーア 著,長瀬勝彦 訳, 出版社 白桃書房 出版年 2011
備考
参考書3 ISBN 978-4883841387
書名 コア・テキストミクロ組織論
著者名 藤田英樹 著, 出版社 新世社 出版年 2009
備考
参考書4 ISBN 978-0415824248
書名 Organizational Behavior: Securing Competitive Advantage
著者名 John A. Wagner III (著), John R. Hollenbeck 出版社 Routledge; 2nd edition 出版年 2014
備考
参考書5 ISBN 978-0134103983
書名 Organizational Behavior (17th Edition)
著者名 Stephen P. Robbins (著), Timothy A. Judge (著) 出版社 Pearson 出版年 2016
備考
 
使用言語  
日本語(J)
 
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