2026年度
教員名
専門領域・卒論指導可能分野
専門:中央ヨーロッパ史(ハプスブルク帝国史、チェコスロヴァキア史、チェコ史、ガリツィア史-現在のポーランド、ウクライナの一部)、特にその近・現代史。国民形成論、ナショナリズムの諸問題、社会主義体制下での日常史、異論派運動、都市史、文化財保全の思想・運動・制度、第二次世界大戦の記憶、中・東欧における絶滅政策 卒論指導可能分野:ドイツからロシア帝国・旧ソ連西部にかけての近現代史、文化と社会にかかわる諸テーマ。19、20世紀を中心とするヨーロッパ史全般。
演習題目
ゼミ紹介
中央ヨーロッパの近現代史は、断絶と強固な連続性によって特徴づけられます。現在、私たちが知るこの地域の国家秩序は、19世紀後半になっておぼろげな姿を現し、第一次世界大戦で長い歴史を持つ諸帝国が解体した後、ようやく明確な形を取りました。さらに、第二次世界大戦による破壊、ナチ・ドイツによる絶滅戦争、人種政策や、スターリンの社会改造、そして戦争末期から戦後の住民追放によって、中央ヨーロッパの住民構成は断絶ともいってよい変化を被りました。 このような変化によってもなお、「中央ヨーロッパ的」な文化、景観、歴史に対する意識・態度、といったものを語ることができます。「中央ヨーロッパ的」とは、定義できるものであるより、それぞれの研究の結果、見えてくる文化的風景です。そして、そこに到達する過程で、みなさんは、「中央ヨーロッパ的」な問題関心、ある種の「感覚」は、広く、深く、みなさんの生きている場、現代の諸状況に活かせることを知るでしょう。 演習では、ナショナリズム、社会主義、歴史の表象(文学や映像、景観などに表現される歴史)、集合的記憶などの問題を広く扱います。課題によっては、中央ヨーロッパ以外の地域を学びたい人にも演習は開かれております。 演習は、文献の講読を通じて、ヨーロッパ近現代史にアプローチする方法を学び、同時に参加者各自が卒業論文・制作に向けたテーマを発見することを目指します。アクティヴ・ラーニングでは、日本国内の近現代史にかかわる遺産を訪ね、みなさんのテーマとのかかわりを考えます。昨年は、国立歴史民俗博物館の現代史展示、ちひろ美術館(原爆画)、東京都写真美術館(被爆80周年企画展ヒロシマ1945)などを見学しました 大学院博士前期課程(修士課程)で実施されている中央ヨーロッパ大学Central European Universityとのデュアル・ディグリー・プログラム「公共圏における歴史」History in the Public Sphere(詳しくはこちらを参照してください→https://www.tufs.ac.jp/education/pg/hips/)と関連させながら授業を実施することもあります。昨年度は沖縄見学ツァー、広島スタディツァーへの参加を募りました。また卒業生にはこのプログラムに進学する人も数多くいます。このプログラムに参加する学生の研究領域は中央ヨーロッパに限られません。
卒論・卒業研究について
2025年度の卒業論文は以下のようなテーマでした: 記念碑としてのT-34戦車:ソ連・ロシア救国神話を取り巻く記憶政治 ナチス・ドイツ体制のT4作戦と遅れた追悼:フィクションにおける記憶の継承とその意義 日本の対外イメージ政策のナショナリズム的側面:パブリック・ディプロマシーに着目して 戦争体験者不在時代における戦争記憶の継承と初等教育の役割:日独の比較から見る教育制度化の限界と展望 ハプスブルク帝国領ガリツィアにおけるネイション意識形成:皇帝巡幸にみるポーランド系・ウクライナ系住民(国際社会学部賞) 抵抗にみるナチ体制下におけるドイツ国民の行動可能性:1943年のローゼンシュトラーセ抗議を事例に エゴン・シーレの作品における第1次世界大戦の影響:文書の分析と同時代の画家との比較を通して 戦後日本の中学音楽教育におけるスメタナ像の構築:〈ヴルタヴァ〉の教材化を通して 韓国と欧州における「美の基準」と標準化・適応化
受講上の注意など
・中・東欧の歴史や文化に関心のある方は、英語のほか、ドイツ語、チェコ語、ポーランド語、ロシア語のいずれかの言語の読解能力があることが望まれます。 ・ただし、昨年度、提出された卒論の題目を見ていただければわかるように、上にあげたテーマであれば、中央ヨーロッパ以外の地域を対象とする方々の参加も歓迎します。
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